2004/5/23

耳の惑い

詩と詩の溶け合いコンサート

萩原健次郎・及川恒平




京都 ほんやら洞




今回は、詩と詩の溶け合う様子を、観客と一緒に体験したいと思います」と
萩原さんの話からはじまりました。


恒平さんは、萩原さんの作品に、音を感じており、
いつか同じステージで、共通体験をしたいと思っていたそうです。


《萩原さんの朗読》




菫の粉末





おでん戦争


春のねーろ




日本の言葉は、見て感じる、象形文字だが、
萩原さんは、音を大切にしてきたそうです。
音の響きで、多層の意味を感じて欲しいと、今回は、テキストなしでした。

4/29の朗読会で、私の中に、
強烈な印象を残した作品です。
恒平さんも、気になっていた作品で、
朗読会で読まれた時に、
萩原さんも気にしていたんだと思ったそうです。


連句のような感じで、作った詩。
面白かったです。


目で文字を見ると、音色(ねーろ)は音色、
寝ろ(ねーろ)は寝ろ、と意味が決まってしまう。
しかし、耳で聞くと、いろんな感じ方ができる。
寝ろでも、父親が子供に言うのと、
男性が女性に言うのと、違うという、

萩原さんの話を聞いて、
目を閉じて聞いてみました。


《萩原さんの朗読と恒平さんの歌》


小船行

二拍子
先に萩原さんが朗読をして、
同じ作品を恒平さんが歌ってくれました。



《恒平さんの歌》

あまがきくろびん

雨が空から降れば

引き潮
「それぞれ、全く違った曲ですが、
どれもフォークと言われているものです。」
今回初めて、聞きに来た方々に、
恒平さんが説明してくれました。



恒平さんの歌の後、萩原さんが、
「引き潮」を朗読してくれました。
萩原さんの「引き潮」になっていました。

《フィリップ・アダムさんの詩の朗読》

太宰治が、玉川上水で自殺してから、発見されるまでもし生きていたらと想定して、書いた詩。
交響曲になっているそうです。

通訳が遅れてきて、フランス語のまま聞きました。
恒平さんが「みなさん、言葉での理解は無理なので、
手がかりは情感、聴きながら探っていたと思う」と。


《恒平さんの歌》

さよなら


最近作った「字あまりソング」です。と紹介。

《萩原さんと遠藤さんの詩の二重奏》 6/26に、フランスで、はせくら たかこさんと、
詩の朗読をする予定だそうです。
その詩を、遠藤さんと二重奏してくれました。

全く練習なしだったそうですが、
息ぴったり、ハモっていました。

詩の二重奏は、最近されるようになったが、
まだ、新しい試みだそうです。


《萩原さんの詩の朗読》

氷図
日本画をテーマにした詩集より。

《恒平さんの歌》

さよなら五月雨川

岬の部屋

詩人の妻

はじまりはじまる
リクエストに答えますと、恒平さん。
「にぎやかな木々」をリクエストしましたが、
譜面が見つかりませんでした。




詩人、八木重吉の妻をかいた詩。

佐々木幹郎さん、作詞

《萩原さんの朗読と恒平さんの歌の二重奏》

二拍子
ラストに、すごいものを、聴いてしまいました。
今後も、二人の世界の溶け合いを、
見たいです。
気持ちよさそうに歌っていた恒平さんは、
多分今後も、萩原さんの世界との溶け合いを
見せてくれると思います。